2025年12月11日

舘塗装ヒストリー① 家族ではじめた塗装店

父・和夫は市内の塗装店で腕を磨きながら、お客様と直接向き合い、納得のいく仕事がしたい━そんな思いを胸に、30歳の時に独立。「舘塗装店」を立ち上げました。

 

修業時代の仲間、そして母も加わり、家族で力を合わせながらのスタートでした。道具や塗料の種類も今ほど多くはなく、現場では職人の技術と経験が何より大切な時代。

夏の暑さや冬の冷たい風の中でも、父は決して手を抜かず、一つ一つの仕事を丁寧に仕上げていきました。

 

吹付塗装を得意としており、その仕上がりの良さには地元の工務店やお客様から厚い信頼をいただくようになります。

仲間から「バカがつくほど丁寧だな」と笑われるほど。

仕事に対してまっすぐで、誠実な姿勢を貫いていました。

 

母はそんな父を支えながら、お茶を出したり現場を手伝ったり。家の中にも職人仲間の笑い声が良く響いていたと聞きます。

忙しいながらも、あたたかい空気に包まれた日々だったのでしょう。

 

今でも、父の代からお付き合いのあるお客様がたくさんいらっしゃいます。

何十年も続くそのご縁は、父と母たちが積み重ねてきた信頼の証です。

 

まっすぐで、誠実で、不器用なほど正直だった父の背中は、今も私たちの心にしっかりと残っています。

言葉にしなかったその思いを、私たちはこれからも大切に受け継いでいきます。

(つづく)